はじめに
Wireはセキュリティとプライバシーを重視したメッセンジャーアプリ兼コラボレーションツールです。 もともとは大学サークルのような小規模な集団のグループトークを中心としたアプリでしたが、現在はコラボレーションツールとしての色を前面に押し出しています。
| 項目 | |
|---|---|
| 提供者 | Wire Swiss |
| 提供者所在地 | ドイツ |
| プライバシー | 強力 |
| アカウント | メールアドレス |
| ID | ユーザー設定ID |
| 公開情報 | ユーザー設定ID |
| プラットフォーム | Web, Windows, Mac, Linux, Android, iOS |
| マルチデバイス | 7デバイスまで |
| 特徴 | サーバー/クライアントともオープンソース |
特徴
常時E2EEで、セキュリティホワイトペーパーも出しているタイプです。
アカウント登録が必要で、メールアドレスによって登録します。
Wireを使う
アカウント作成
起動時は「ログイン」「Create a Team」というメニューになっています。 わかりにくい感じですが、“Create a Personal Account”を選ぶと個人アカウントを作成できます。
メールアドレスを入力し、利用規約に同意して進めます。
最近、フルネームの入力が求められるようになりましたが、本名であることを強いられるわけではありません。
パスワードの設定は必須です。
PINを使ったメールアドレス確認があります。
usernameは連絡先を交換するときにも使うものなので、被りのチェックがなされます。 表示名ではなく、ユーザーIDです。
連絡先の交換
ホーム画面の「新着」からユーザーを追加できます。
@usernameの形でユーザー名を指定して検索できます。
ちなみに、完全一致でなくても検索されて候補に出ます。
相手が承認しなくてもアイコンと名前が出るため、SessionやThreema.ほど匿名性を出していません。
追加するとステータスpendingで会話が開始されます。この状態でもテキストでのやりとりはできます。
以前はpendingの状態で会話することができましたが、現在はacceptしないと会話できないようになっています。 このため、accept前に相手を確認することができなくなりました。 追加する前に相手と意思疎通を図りましょう。
チャット
以前はもうちょっと洒落ていたのですが、コラボレーションツール推しを進めているせいか、随分そっけない見た目になりました。
機能としては
- テキスト
- 文字装飾
- ping
- メンション
- ファイル送信
- 画像送信
- 写真送信(カメラ)
- ビデオクリップ
- オーディオクリップ
- 位置情報送信
- 音声・ビデオ通話
となっています。
1:1の会話にいまいち最適化されていない感じがあります。
はるかと連絡先を交換する
Wireは基本的にリアル属性の人とのやりとりに利用しています。
あなたがネット属性の人である場合には、交換する可能性はないため、他のメディアを検討してくだい。
あなたがリアル属性で、SessionまたはThreema.を交換した人である場合はWireにアップグレードする余地があります。 SessionまたはWireで聞いてください。
ただし、基本的にアップグレード先はWireでなくMEGAを推奨します。
Wireの注意点
Wireは使っていないと結構短い間隔でログアウトされてしまい、メッセージが届かなくなります。 このため、1週間に1回くらいは使ってあげる必要があります。 最近はログアウトされると過去ログも消去されるようになり、さらに厳しくなりました。
Wireはマルチデバイス対応ですが、モバイル/PC合わせて7デバイスまでという制限があります。
また、Wireアプリは割とデバイスの制限が厳しいようです。 環境によってはPlayストアで表示されませんでした。
メッセージ送信時にメッセージが半透明で表示されるときは送信に失敗しています。 送信に失敗した場合、相手にあとから届くことはほとんどありません。
様々な理由でWireのアプリがConnectingやDecrypting Messageで止まってしまうことがあり、この場合アプリは起動しているように見えて実際は起動できていません。
補足情報
- 公式サイトのダウンロードリンクからマルチプラットフォームのアプリがダウンロードできます
- PCであればWebでも利用可能です
- ただし、仕組み上webでの利用はかなりやりづらいです
- デスクトップアプリはElectronです
- Linux版はExperimental扱いですが、Debian/Ubuntu版とAppImage版が用意されています
- PCであればWebでも利用可能です
- チーム版とパーソナル版の違いはほぼありません
- Enterprise版はまた別扱いですが、アプリ的にはほぼ同じです
- 1:1のチャットも「参加者2名のルーム」扱いになっています
- このため、微妙に1:1のチャットに最適化されていません
- 以前は区別がもっと少なかったものの、現在はメニュー的には分かれています
- Android 13以降だと “Waiting for message…” と出たまま進まないことがあります
- プロトコルはProteusを使っています
- これはaxolotl protocol (Double Ratchet Algorithm)の実装です
- Double Ratchet AlgorithmはSignalプロトコルの一部です
- 暗号の実装にはlibsodiumが使われています
- ChaCha20 (Cipher), HMAC-SHA256 (MAC), Curve25519 (DH), HKDF (KDF)で構成されています